忍者ブログ
UK外資投資銀行から外資中央銀行 (Global Fund)のMD、FMとして 出向して日々国を跨いで出張を繰り返しながら 働くアラフォー親父の日々考える事
[145]  [148]  [133]  [146]  [138]  [141]  [136]  [135]  [137]  [134]  [132
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


Macrobioteicの飯をクラアントとその家族と久しぶりに
食べたが料理人によりけりだけど、あまり旨いものではない。
有機食材、無添加ばかりが体に適しているとは限らない。
人によってアレルギーの抗体もあるし、
耐性を考えたらどっちが正しいのかわからないが、
重宝がられているけれど、生産する側は大変な手間が掛かる。

そんな話を専業で農業に従事していた時の体験を
交えて話すとすっかり夜が更けてしまうことも多いけれど、
そのお陰で日本の農海産物を直で仕入れてくれる
ルートの開拓にも繋がることも多いんだ。

土と共に生きることは、地道な作業の積み重ねで、
雨が降ろうが、雪に埋もれようが閑散期も仕事は溢れている。
その積み重ねで掌はごつごつになり、節くれだってタコも出来る。
泥にまみれ、土にまみれ、堆肥にまみれで休みなんてない。

有機で堆肥を作る為に、蓄農家さんとも有機で作った
大豆や小麦やとうもろこしなどの飼料長年に渡って
取引して初めて良い糞を貰うことが出来る。

勿論、窒素、燐酸、カリを含めた肥料も
手づくりする。漁師さんに貰った小魚を
天日で干し、製材所で貰った間引いた灌木剤と
竹ををチップにしてもらい有機米の稲藁と秋に
刈り入れたススキを細かく切って、一緒に燃し、
貝灰を蜆と紫貝の殻を焼いて灰にして作り、
籾殻と糞を混ぜて、農閑期ハウスで2ヶ月間毎日混ぜて
発酵させて堆肥を作ったものだ。

地域と関わりコミュニティの中で多くの人たちに
助けられて長い時間を掛けて初めて有機、無添加が成り立つ。

その癖、流通経路で規格外のものは撥ねられる。
そしてマージンも。
生産者はうまく販売経路を確保し、マーケティングを
コントロールしないと利益を永続的に生み出せない。

TPPは真面目に生産している農家にとってチャンスなんだ。
だけど、国は枝葉の先まで見ないし、
また票欲しさの為の税金の垂れ流しや制度を作り、
それが農業や農家の自立を阻害してきたのも事実。

小規模農業や兼業、趣味的なものに税金を垂れ流すのは
今後の若い世代に繋げる農業や安心な作物を作ることに
対して取り巻く環境にとっては悪なんだ。

南相馬に居た頃、
毎年出て行く区画に割り当てられた土地整備事業費、
塩害対策土地改良事業費、機械の整備費とローン、
燃料費、農協への支払い、気候や災害による損害費、
大量に収穫でき過ぎた時の欠損金等、
長年に積もり積もった定期的に支払う借金が億単位、
その他に計上される損失。

初め帳簿を見せられたとき、ザルで笑うしかなかった。。
関わる中で、農業で生きるということと真面目に向き合うと
日々、土と向き合う中で、地域社会と関わる中で
収益を出す差別化に有機を拡大することと
休耕地や田を借りて大規模農業への転換と
独自の販売経路の開拓と営業とNet販売をすることにした。

Fund時稼いで5年間動かせないオプション以外の
債券と貯金で長年定期的に払う数億単位の負債を肩代わりした。
金融屋の経験を活かして出来ることは財政を黒字化すること。
そして計画的な事業の運営と魅力ある利益の出る農業に
変換すること。

2年で赤字を払拭し800万の利益を確保できるようになったが
不安定さは否めなかったし、借金が増える可能性はまだ続く。
天候に左右されるし、第一次産業のどれかが傾いても
有機や無添加につながる農業や生産物加工品などできないからだ。

その不透明さの中で、金が無くとも良い作物を消費者に
届けて喜んでもらうことに誇りを持っていた。

まぁ、研修生の手続きをしていたがそれは家に入れ、
給与も貰わなかったし、お小遣いも無かった。
立て替えた借金も返してもらわなかった。

家庭内事業の元に家長が財布を握る
それでも良かったと思っていた。

それで少しでも家が回るならと考えてもいたし、
やがて大きく稼ぐようになればと思っていたからだ。

働くということはそれに見合った対価を貰うということ。
作品や物の値段はコストと利益のバランスで付けられ
消費されて当たり前の世の中。

それが農業の現場には浸透していない。
それでは農業を今後支えてくれる若者が離れてしまう。
これが大きな農業離れの現状を招いているんだ。

葱が一把店頭で150円で並ぶとする。
市場取引価格は1箱12把入って不作のときで1,200円、
通常は700円から酷いときは200円。
どんなに良いものを作っても青果市場や農協出荷時に
入るのはその積み重ね。

労働力を合わせたコストに見合わない価格体系。
何度も嫌になったものだ。
葱畑で市場に出した卸値を次の朝引き取りに行くたびに
常磐線の東京行きのひたち(スーパーひたち)を見るたびに悲しくなった。
鎌を悔しくて堀り投げて叫んだこともある。

Fundや銀行のように稼げない、
洗っても爪の中は泥が、手はごつごつして
指は節くれ立って、いつもイセキの青いツナギを身にまとい
堆肥を作る為に糞まみれになり、油が染み込んで
有機以外の畑や田んぼに重い機械を背負い農薬を噴霧したり、
肥料をまいたり、水の管理や除草をしたり、
毎日4時から18時まで農作業は続く。
休みは無い、娯楽も無い。

ただ仕事終わりの熱い缶コーヒーを飲んだ時が
タバコも酒も遣らなかった私の楽しみ。

それが終わると、畑と相談して夜ご飯に使う野菜の収穫。
精米したての米をガス釜で炊く、煮え花が立ち炊きたてと
漁師の友達に貰った柵を刺身に引いて
婆ちゃんの手作り味噌で作った味噌汁が毎晩の楽しみ。

そして元彼女と交代交替で薪風呂の火の番をしながら
今日の出来事やTVのことを風呂越しに話す。
そして寝るの繰り返し。

そんな事も5年前の震災で全て跡形も無く
元彼女の家族もろとも無くなってしまった。
思い出が残るのは庭にあった大きな原種のゆずの木だけ。
それを枝分けして根継ぎして和歌山の農家さんに育ててもらっている。
ゆずの香水を作れる日がくるまで。

嫌になるほど平凡で、地道で報われない、評価もされないもの。
利益もそんなに出ない、それが農業し始めの頃だった。
その地道さのなかに幸せや遣り甲斐はある。
だから、お金がなくとも幸せはあることも身をもって知っている。

それは中小企業も仕事や桁は違えど変わらないと思う。
ただそれを言い訳にしないでほしい。
やれることを全てやってからにしてほしい。

安易に銀行からの借入金や
株主の配慮やパートナーの厚意に甘んじないで経営すべきだ。

資金を融通してくれだの投資してくれるようメインバンクに
口ぞえしてくれるよう懇意にしているクライアントを
頼ってきた企業の経営者によく言われる。
個人的に投資してくれともね。

泥水すすっても這い蹲ってでも生きてみろよと思う。
甘すぎるんだよ。

体力が無い企業や無能な経営者は会社をやるべきではない。
それは赤字に慣れすぎて事業の本来の意味を忘れてしまうからだ。
そんなひとたちには投資も口利きもしない。
従業員や支える家族がかわいそうだからだ。

岩手や福島、宮城の懇意にしている
農家さんや漁業関係者さんたちや投資している
経営者さんたちにはそう口すっぱく言う。
永続して地域に雇用と利益や将来への夢を還元し続けてこそ意味がある。
復興とは事業をするということはそういうことだと。

生活基盤を作り、若い人たちに繋げるということはそういうことだ。
手抜きをしたり、油断したところで綻びは出てくる。

そんな話をクライアントとその家族と深夜まで話した。
実際に経験してきたことだから面白いらしい。

どんな経験も、今の仕事に生きている。
金が豊富にあるからって幸せではない。
一番の幸せは真摯な日々の生き方に後から結果がついてくることだ。

それが家族か物か金かは別として。

ひとは、人と差別化するために生きるわけではない。
優位性を保っても自己満足の先にはキリが無い。
上には上が居て、流行も消費動向や嗜好も歳を重ねれば変化する。

自分の人生をよりよいものにする為に日々努力もするし、
悔しさをばねにして踏ん張るんだ。
ひとと差別化することばかりに趣旨や主題を措いているうちは
自分の生き様や本当に遣るべきことが見えていない。

だから、世の中から虐めや差別がなくならないんだよ。

そして本当の幸せや人間的な賢さも。
HARUHA
PR
PREV ←  HOME  → NEXT
プロフィール
HN:
HARUHA
性別:
男性
職業:
外資投資銀行 MD   外資政府中央銀行系Fund MD
趣味:
自転車 料理
自己紹介:
外資投資銀行から
外資中央銀行FM MDとして出向。
EU、US圏で活動中。

外資投資銀行、
政府系FUNDの寄付講座で、
院の学生を教えながら、
国を跨いでの出張と
仕事の毎日です。

守秘義務が多い職務上
Facebook、Instagramは公開しません。
予めご了承ください。
文章の引用、批評論評等
一切お断りします。

専門はM&A全般
Due diligence
企業の建て直し、解体。
人的資源の効率化。
知的財産(特許全般)の
債権化とライセンス契約
および特許訴訟全般。
P R
フリーエリア
Copyright (C) 2024 外資投資銀行に勤める親父の考えること All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]