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UK外資投資銀行から外資中央銀行 (Global Fund)のMD、FMとして 出向して日々国を跨いで出張を繰り返しながら 働くアラフォー親父の日々考える事
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投資銀行から多種多様な業界、
政府関連の機構に出向することは多々ある。
時には身分を隠して内部調査することも。

Fund時代から水面下に潜ることは慣れている。

会社全体や組織の問題点を現場で
洗い出し数値化したり、人的資源や資産、
事業体の金銭的な価値を算出して、
組織や会社の現在の世界標準の正当な市場
での評価額をつけるDue diligenceをして
建て直しをすることもあるし、M&AやTOB、EOBや
優良な事業のみCarve outすることもある。

情報の精査と現実の問題点や数字の刷り合わせと
解決策という着地Pointを過不足無く導き出すことが
仕事でもある。

数字も現場で日々起こる細々とした諸問題も
人が絡んで起こりえる生き物的なもの。
それを全て数式や経験で判断することは難しいんだ。

フロントオフィスの人材の多くは
自然科学系出身者のTOP10以内の
MBAのtitleholderで優秀な人材ばかりだ。
成績が良いのは前提で、入社後配属されるのも一握り。

生え抜きより、他所から替わってくる人材が
ほとんどだけれど、投資銀行部門より
Private Equity部門の方が稼ぎ柱になりつつあるし、
近頃は人件費を抑え、生え抜きを育てようという傾向に
あるから状況は変わってはきているものの、
入ってからが本当の過当競争が始まる。

年棒は魅力的で支払い通貨もある程度の
役席になれば指定でき
Dollar-denominatedが一般的だけれど、
オプションもかなりの額割り当てられる。
現地法人採用はわからないけれど、
若くして30代前半でManaging Directorになると
一年で日本の生涯賃金の3倍はオプション併せて
貰うことは普通にある。

殆どの優秀な人間は他所にヘッドハンティングされたり、
独立したり、辞めて次の人生設計を考える。
正しい判断だと思う。

私自身はFundに引き抜かれて給与は銀行時の数倍に。。

まぁ、派閥争いに巻き込まれ違約金を払ったり、
辞めて農家をした時期に借金を肩代わりしたり、
震災時に貯めておいた債券やオプションを
寄付のため放出したし、
自分で起業するときにも自己資金で殆どまかない
M&Aしたり、統合したり社員の福利厚生や教育制度に
金を掛けたからそんなにお金は残らなかった。

その会社も5年前に追われた時の
違約金で殆んど0に近くなった。
まあ、却ってきた違約金の殆んどはあしなが基金や
震災で亡くなった部下達の見舞金や
こども病院に寄付してしまったから、
稼いでは、ごそっと使うみたいな人生を歩んでいる。
活きたお金の使い方だったから惜しいと思ったことは無い。

唯一、治験医療研究部門がBostonに残せたけれど、
今はFund時代のBossが面倒を見てくれている。

金や債券や資産は無いよりあったほうが良いけれど、
程々が良い。
精神的な豊かさと物質的な豊かさのバランスは
その人の価値観や倫理観、
現状によってかわるものであり、
どれが正しいかなどわからないけど、
下手に持っていると欲望の侭、群がる人達も多いからね。
自分の身は自分で守るしかない。

投資銀行でほんの一握りのクラスである
執行役員扱いのMDになるとオプションを合せて
年にBillion貰うことになる。

現場に出なくとも、居なくとも、
自分の担当部門のパートナーにおさまることも
可能だけど、今の私はそれを望んでいない。


水面下で現場に出たり、
多種多様な会社や機構に出向して
仕事している方が学びが多いし、
名前を世に知らしめようなど考えたこともないから。
面倒なことが多いし、
メディアに露出したくも無いからね。

今の出向先である政府中央銀行の投資部門は
手厚い待遇で迎えてくれているし、
この先、国を替えて骨を埋めないかとも
言ってくれている。
北欧は福利厚生や保障が手厚いし
今後歳を重ねても安心ではあるけれど、
私は投資銀行のまだ席は人間だからね。

それに恩義はあるし、
それを果たすまでは考えあぐねている。

国籍を替え日本人でなくなっても
支障は無いけれど、根っこは日本人だからまだかえない。

銀行を含め大手の外資企業に勤めたい人達がいる。
他企業や内資より給与や待遇が良い事も要因かもしれない。
でも、入ってからがどんな企業でも勝負なんだ。

人より良い生活、暮らし、人との優位性、資産など
そんなものは株価や為替のように乱高下して不安定なもの。
昼から席が無くなる事もあるし、
家のローンを払えなくなった部下たちや
同僚を現実に見てきている。

そこにはDNKSを気取って見栄を張ったり
パーティや業界や異業種交流の付き合いなどが頻繁にあり、
やっかみなどめんどくさいことで溢れていて
傍目に面倒だなとしか思っていなかった。

独り身だし、仕事も忙しかったし、興味の範囲外で
仕事以外で部下たちや業界の人たちと
関わるのを止めていたからね。

そんなもの無駄で疲れるだけだから。
足の引っ張り合いだしね。
それに自然に力無きものは淘汰される厳しい世界なんだ。

留学経験や世界のNGO、NPOで経験したり、
起業したり、語学力や資格を身に付けたり、
TOP10のMBAを修了したとしても
それが世の中で通用するとは限らない。

DNKSを気取って上昇志向過ぎる30代~40代の
日本人や華僑やシリコンバレーの起業家の方達にかなり多くて
そのマナーの悪さと強引さに閉口したり、
もう少し郷に従ってスマートにやれないものかと思うことが多く、
近頃、伝を使ってそんな方達が面会しにくることが増えた。

彼らが紹介状を持ちアポを取って正規ルートでアプローチして
来られる分は追いかえすことはない。

その人たちにいつも言うことがあるんだ。

”本当の精神的かつ物質的なバランスを見つけなさい!”と
全て何も無くなった時にしか見えてこないものがある。

何も無くなったときにもついてくれる人の繋がりを
構築しないと、全て失った時に自分の価値の無さを知ることになる。

家柄や財産、会社や資格や肩書きが無くなった時が勝負になる。
周りの人たちや自分の本性も露わになるからね。

私が苦労知らずで世の中の底辺の痛みや
苦悩を体現したことがないと言う人たちが中にはいるけれど、
その人たちは、理解していない。

喉の渇きを潤し、腹を満たす為に
泥水や清水をお金が無くて啜ったこともある。
タンポポの茎や山野草や土を食べて空腹を満たしたこともある。

親に反対された農家を辞めて実家に帰るとき
途中で入れたガソリン満タンと財布の中の246円しかなかった。
南相馬から、父が亡くなったとき実家に戻るときだった。
実家に戻りづらくて、一週間実家の近くの山で飲まず食わずで過ごした。
夜中に人の居ない道の駅のトイレでダンボールに包まり朝を待ったな。

障害者用のトイレは便座にヒーターがあって暖を取れたからね。
お湯も出たから手洗い用の石鹸で体や頭を洗ったもんだ。

あの時の真冬のひもじさと寒さは一生忘れない。
惨めでいたたまれなかった。

専業農家の元彼女の家の為にと
貯蓄と債券を投げ出して何も残ってなかった。
家族経営の元に給与もお小遣いも保険も
払ってもらっていなかったもんな。

農業を身を持って体現してきたから、
取り巻く環境や仕組みや改善点が
身をもって理解出来るから
今の仕事にも活きているから
別に気にはしていない。

自分から進んでこのことを語ったことは無い。

5年前、会社を追われて、多額の違約金を払い、
しかも悪性脳腫瘍で倒れ余命を宣告された上、
治療法も無かった時も、金も希望も何かもなかったけれど、
Fund時代のBossや仲間達が支えてくれた。

病気になったことを憎んだことは無いし、
病気を盾にしたこともない。
健常な体で居るのが一番幸せに決まっているし、
そんなことを言い訳に自分の人生を生きたくないからだ。

検査に行くと同じような境遇のひとたちが
傷の舐めあいや病状や経過を自慢げに話す場面に出くわす。
健康が一番でそんなもの自慢でもなんでもない。
だから相手にしないし、そんなことは言わない。

会いに来られる方達はクライアントの御曹司、子息女も多いし、
懇意にしていて交流のある大学の教授からの紹介で
学んで来いと送り出されているからこうだけ言う。

”何も無くなっても残るものそれを見つけなさい!
自分の今持っているものが全て無くなっても何が出来るか、
何をして生き残れるか、そして世の中の為に何が出来るか、
自分が生まれてきて、生きている理や力をを見つけつけなさい!
その答えがみつかり、心が実践できれば何かが自分の中で変わる!”

上昇志向ばかり強くて自分自分で
ほんと迷惑な人達も中にはいるけれど、
何かに気付き、生き方や価値観が変わるきっかけに
なっててくれれば良いと思う。
自分が生きる意味を早く見つけ、実践した方が
その答えにたどり着く距離も短くて良い。

人それぞれ価値観も違うから、
どれが正しいかなんてわからない。
でも、金だけの為に働き、五欲の為だけに流行を消化し、
搾取され続ける生き方をするか、
心を磨き自分の人生をよりよきものにする為に働くかで
その人の価値が変わると思うのだよ。

武士道に出てくるような日本人が本当に少なくなった。
日本人に限らず心ある人たちもね。
HARUHA
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プロフィール
HN:
HARUHA
性別:
男性
職業:
外資投資銀行 MD   外資政府中央銀行系Fund MD
趣味:
自転車 料理
自己紹介:
外資投資銀行から
外資中央銀行FM MDとして出向。
EU、US圏で活動中。

外資投資銀行、
政府系FUNDの寄付講座で、
院の学生を教えながら、
国を跨いでの出張と
仕事の毎日です。

守秘義務が多い職務上
Facebook、Instagramは公開しません。
予めご了承ください。
文章の引用、批評論評等
一切お断りします。

専門はM&A全般
Due diligence
企業の建て直し、解体。
人的資源の効率化。
知的財産(特許全般)の
債権化とライセンス契約
および特許訴訟全般。
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