忍者ブログ
UK外資投資銀行から外資中央銀行 (Global Fund)のMD、FMとして 出向して日々国を跨いで出張を繰り返しながら 働くアラフォー親父の日々考える事
[1]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



外資の金融マンはモテ囃されるのか?

そう聴かれたら、そうでも無いと答える。
社名や肩書きに群がってくる人たちは確かに居るけど、
そんなもので判断されたくも無いし、
ほんと厳しい世界だから、
少しの成功で胡坐をかいていたら用無しだからさ。

外資金融マンのいいところは?

フロントオフィスの人間は、
給与もオプション含めれば魅力的ではあるが、
MBA修了者や世界の著名院出身者がほとんど。

仕事のできる人間は引き抜かれたり、
転職組みで固められ、
キャリアも華麗、且つ様々でその繋がりは蜜である。
また、多くの学びも多いし、職を離れたときに
その繋がりが役に立つことが多い。

扱う額も数億から数兆まで、
その人の能力やチームにより任される運用額も
案件もクライアントも異なるし、
年棒もオプションを含めると円換算で
成功報酬合わせて6000万~7億くらいまで人それぞれ。
MDだと4億~24億くらいまで、
FMは案件とリターンによってMDよりも貰うこともあるし、
FMやMDの中にはもっと稼ぐ人たちもいる。
MBA修了者で1600~2800万くらいから始まる。
大卒で780万~980万くらい。オプションは含まない。
バックオフィスの子で560万~640万くらい。
普通は$建てかユーロ建てで貰うんだけど国によってかわる。

現状は、支払い総額の上昇を抑える傾向と
金融不安による利益の圧縮もあるから、
下降傾向とはいえ実績がものをいい、
基本額+(数年動かせないオプション)で支払われ
そのうちオプションの額が大半を占める。

まぁ、一般企業より給与は魅力的だが、
ハードワークなのと結果がすべてなのはかわらない。

昼から席が無くなる(解雇される)こともあるの?

業界は厳しいからね。
BOSSや本社の意向により、
出社したとたん呼び出されたかと思うと
午後から席が無くなることがある。
急にマネージャークラスや先輩や同僚が
数人居なくなることもしばしば。

荷物は後で送るからとか、
1週間~良いときは3ヶ月の猶予をあげるから
次の転職先を見つけなさい。
その間出社しなくてもいいからと上司に言われ
絶望の淵に落とされる同僚を見てきたし、
自分自身もBOSSとして推薦状を書いて解雇する部下達に
別の職場を紹介することも普通にあるし、
容赦なく首を言い渡すこともある。

私も首になったことがある。

勿論、私自身、役員会議で部下を解雇したり、
チームを解散出来ないならば、君が辞めるしかないよと
通告されたことがある。

まぁ、その当時の部下達に否はなかったし、
寧ろ、他部門に比べたら優秀で数字も実績もあげていたし、
切る必要性もなかった。

しかし、パートナー達はお前が生き残りたいならば
チームのビジネスモデルや顧客を統合して
自分達の傘下に置きたいから解散しろと迫った。

だから、執行役員を退いて
部下達全員に紹介状を書き受け入れ先が決まってから
辞めてUSから日本に戻ることを決断したんだ。

金融業界に疲れて
南相馬の元彼女の家の専業農家を手伝っていたこともある。
震災で元彼女とその家族も田畑も津波で跡形もなく
無(亡)くなってしまったけどね。

当時ほかに良い条件で替わる話は頂いてはいたけれど
全て蹴った。
またパワーゲームに巻き込まれるほど
面倒なことはないからね。

稼げるMD(マネジングディレクター)とFM(ファンマネ)は
キリのいいところで人生を再構築する。

ヘッドハンティングされるようなMDや
ある程度の技量をもったFMになると
もっと評価してくれて安定した立場を確保するために
他社に移ったり、業界を替えて
CFO(財務担当最高責任者)に収まったり、
30代初めに引退して自分で事業をするようになる。
私自身は形は違ったが一度33の時業界を辞めた。

その時に所属していたファンドでは
数十億の違約金を支払ったし、
オプションも凍結され、
稼いだ資産の1/3が一瞬にして無くなった。
自分の意としないところで事が進むことは常にある。

一般の人なら信じられない話だが、
ヘッジファンドやファンドの冠ファンドを持つFM(執行役員扱い)の
成功報酬は世界有数の企業のパートナーたちと同じか
その数倍は貰うこともある。

ただ失敗すればその責任を取らなければいけないし、
ファンドを去るか業界には居られなくなることもある。

こういった人物はほとんど表には出ない。
優秀な人物はどの業界も同じで地下にもぐるものだ。

お金持ちはケチが多いのではなく使うべくして使う。

金の使い方にはシビアである。
本当に必要なものに投資し、
必要のないものにはお金を極力かけない。
High-Line(ブランド)のものばかり身に着けないし、
自分がいいと思うものならば、
家具もPoltrona frauとかカッシーナや
IKEAやニトリもMIXしてさり気なく使う。

センスがよければ別に何でも良いという感じ。

食事も健康に気を使うものの
ジャンクフードだって食べる。
ただ健康を保つためにはお金はかける。

お金を湯水のように使わないのは
いつ首を切られるかわからない不安定な世界だからだ。

家族も大切な人たちも守らなきゃならないしね。
同僚だった奴らは独立してIPOした企業に成長させたり
パートナーになって稼いでいるけれど、ケチではない。
無駄ものには投資しないし、
自分自身や家族、友人、必要なものに必要なだけ金をかける。

華やかなパーティはクライアントの為であって
普段の生活Styleは普通で気取らないものだから
目立たないものだ。


外資の現地法人採用は大変って本当?
入ってから生き残るのが大変?

各国の支社管轄に行けばもっと過当競争や
理不尽な解雇が日常茶飯事に行われる。

よく、学歴や社歴、資格、会社名、役職、年棒などで
判断されるけれど、そんなものは不確かなものだ。
其処にたどり着くまでに努力するのも、
その立場で自らを磨き続けるのも当たり前で
終わりはないし、安心もない。

しかし、ひとはその上辺で評価するし、
付き纏ったりする。
かなり、面倒なんだ。

金融の世界に限らず、あらゆる業界にも同じことが言える。
安定など今の世の中ないんだ。
こじんまりと堅実に経営していても潰れることはあるし
上場企業でも他社にTOBされたり、リスクヘッジが
うまく機能しなくて倒産、淘汰、営業譲渡という名の
切り売りが頻繁に起こっている。

全て何もなくなっても生きていける強さと
日々積み上げた地道な実績と信用しか
最後に自分を支えるものはないんだ。
変な他人と差別化したりひけらかすプライドなんていらない。
プライドなんてものは壊して再構築する繰り返しで良い。

世の中は知らないことで溢れていて
全てを知ることも、全てに触れることも難しい。
だから、面白いんだ。
上には上がいる、下も限りがない。
自分が何処にいくかなんて未来は不安定なんだ。
だから、努力し続ける、
他人の上辺だけの評価に右往左往する暇も
構ってる暇なんてない。

そう、Associateで採用され入ってきた子達に
UKに戻ったとき、飯をご馳走しながら話した。

世間では優秀といわれる彼らがオフィスに3ヵ月後
誰一人残らないことなんて普通にある。
その状況で生き残るしかない。
結果がすべてだから。

そんな厳しい世界なんだ。
格好いいものではない、学歴重視、実績重視、上司受け重視
あこがれる人たちは多いけれど、めんどくさい世界なんだ。
現地法人採用(特に日本支社採用は最下層と見られていて
業績の煽りを一番早く受け削減の矛先)は
特に切られる事も多いからね。

まぁ、どんな業界、職種に就いたとしても
日々の積み重ねが物を言うし、貯蓄や投資はきちんと
しておいたほうがいい。
そして胡坐をかかないで自分を高め続ける謙虚さを持ちたい。

この世の中は不安定で不確かなものだから。

今の自分に胡坐をかかないそれが基本だろう。
HARUHA

PR

お勉強が出来ても成功するとは限らない。

良い学校に入ればブランド力に守られ、
母集団がある一定のレベルに保たれ、
生活レベルや親の収入状態が安定して似通った
価値観の中で切磋琢磨できるから良いだけ。

自分が怠ける性格で周りや環境に
染まってしまうと感じたら
厳しい受験戦争を勝ち抜けば良い。

仮に入ったとしてもそこで怠ければ、
どんなに資質や能力、
IQが備わっていても意味は無くなる。

勉強とは一見必要だとは思えないけれど
生きていくために多くの引き出しとヒントを身につけ
導き出すための応用力を磨くということだ。
それが出来て初めて人とは違うアイデアや
オリジナリティが発揮出来る。

以前も書いたが、東大は官僚になるには良い学校。
早慶は人数が多いし、附属からのエスカレーター組と
推薦組が大半を占める。
誘惑も多いし、埋もれる可能性もでてくるし、
入ってからが勝負になる。

旧帝大を含めた国公立は定員が少ないし
そこでどう学ぶかで
東大や早慶と遜色なく仕事は出来る。
理系ならば、就職も真面目に勉強すれば有利に働く。

ようは、入りたい企業やなりたい職業や
仕事をしたいときに門戸が広いか狭いかと
同じ夢を共有して切磋琢磨できる
仲間が多いか少ないか、
就活時移動がしやすいかだけが、
地方と首都圏の大学との違いである。

私立は定員も多いし、受験科目の数も違うのに、
早慶や上智や立教やICUと
国公立とを安易に比較は出来ない。

採用側の人事的にも国公立大の優位性は変わらない。
まぁ、一部マスメディアでは早慶優位はあるけれど、
定員比で考えれば、大学でどれだけ努力したかや、
コネクション優位は変わらない。

後の企業は何処に行っても
自分自身が何を学び取るかで違う。

偏差値で人生も人の評価も決まらない。
ただ入る時にお勉強が出来ただけだから。

仮に希望の職業や会社に就けたとしても
そこがスタートライン。
それで人間的な賢さや思慮深さや
優しさや品性が決まるわけでも
出世するとも、成功するとも限らない。

司法試験を突破しようが語学力が優れていようが
それも仕事とは直結しない。
世界のTOP10のMBAを修了したとしても
最初は優遇されているように見えるが
そこからが大変なんだ。

自分が持っているツールとスキルを
会社という組織や人材を使って
何が出来るか、何をするべきかを
導き出せることが大切で、
いつも絶え間なく考え続け、模索、熟考、修正し、
それを形として実現できるやつらだけが生き残っていく。

そこにはコミュニケーション能力も必要だし、
浅く広く掘り下げた日々UP-Dateされた
多くの引き出しがあるか無いか、
そしてそれを応用して組み換え自分自身の
オリジナルに創造できる能力が必要になる。

勉強をするということはそういうことだ。
理数系科目が嫌い、歴史や国語や英語が
嫌いで逃げていては
問題外。勿論、音楽や美術も全て。

多種多様な人種、国の人達とボーダレスで
関わらなければいけない。
それに趣味や嗜好も人それぞれ異なる。
仕事では関わる人は選べない。
その中で日々戦うにはバランスよい教養と知識が必要になる。
そしてビジネスでも日常でも使える語学力も。

偏差値社会で切磋琢磨してきた人間は強いけれど、
それで人間的な賢さや魅力が備わっているとは限らない。
それは世界レベルでも同じなんだ。

Deutsche Bank-KKR(Kohlberg Kravis Roberts)時代から
BridgeWater〜今の属している投資銀行でも、
HBS(Harvard)やGBS(Stanford)やSolon(MIT)や
LBS(London)や私と同じHaas( University of California,Berkeley)
出身のMBAフォルダーもごろごろいて、優秀だけれど、
すべての人材が使える人間ではないし、
人格や品性が伴ってもいない。

それは学歴やキャリアではなく、その人がどう生きてきたか、
生きているかに伴ってくるものだからだ。


金融にいれば他業界他業種のクライアントに関わる。
それは金融以外にもいえることだ。
クライアントの事業内容全てに目を通し、業界の新技術や
流行、動向なども日々専門誌を読んで勉強する。
理解できなければ専門家や大学にも教えを請いに行く。
どこに問題解決の糸口が隠れているかわからないからだ。

それが同業他社との差別化する為の事業計画のための
コンサルにもなるし、M&A時の補完すべき事業の優劣や
新たな技術特許戦略の指針を決める要因にも繋がる。

人と関わらなければ仕事も生きていくことも出来ない。
だから、足りない知識や経験を日々補うために、
そして日々人の言動を観察し、何を今その瞬間に求めているか
気づきの精度を上げるために勉強し続けるんだ。

人としての配慮が出来なきゃお勉強ができても
人としてバランスに欠けていると判断されるからね。

ケアハウスの子供達にいつも話すことがある。
震災復興のために立身出世をして成功するんだと言うと、
そこに心を忘れてはいけないと必ずいう。

成功しても、他人の心の痛みや欲していることを
汲み取れない人間にはならないように。

初心を忘れず、日々勉強し続けるように。

そして人を見下さないように。
自分が一番賢いわけではないし、
物事を達観して経験をつんでいるわけでもない。
世界には上には上がいて、下もきりが無い。
そこで多くの人達に支えられ生きていることは忘れないように。

そう口すっぱく言う。

彼らが理解しているかはわからない。
でも、バランスの取れていない大人にはなってほしくないからだ。

今年も2人大学生、1人は高校生になる。
1人は東大法に入り官僚になるといっている。
1人はCaltecにその後MITに入り企業を経て事業をすると話している。
1人は仙台第二に入り、東北大の医学部を出て地元の医師になると。
みんな下宿をする予定だ。

Caltecに進学する奴は、Cal時代の友人の家から
通わせる予定で、ホームステイにも何度か行かせているから
授業が始まるまで時間があるから、早めに行かせて
友人の事業を手伝わせるからか、彼は喜んでいる。

官僚になりたい彼は、ゆくゆく政治家になりたいといっているので
自民党の政治家の知り合いに頼んで面倒を見てもらうことになっている。

二高の彼女は東北大の医学部に通っている
うちの給付制奨学生の女の子とシェアハウスして面倒見てもらう予定。
同じ震災遺児として地域に尽くす医師となるという
モチベーションが下がらないようにもなるし、
女同士不安も無いだろうからね。

彼らには彼らなりに何かを学び取りながら
自分の頭で考え、バランスよい人間になってほしい。

バランスに欠ける人間には良い未来を繋げないし、
創造できないと私は考えているからだ。

頭でっかちに成長してほしくない。
人として当たり前の配慮や気遣いをどんな立場になろうと
考えられる人間になってほしい。

競争社会のなかで二極化により拍車がかかり、
資本主義において敗者と勝者がより明確になる。

最後に勝ち残れる人間は、人間的な賢さと生きる術と
誰にでも変わらない人としての思慮深さと
感謝を持ち続けれる人間だと私は考える。

お金がある、地位や名誉があるのが幸せでもない。
今の自分の分を知り、弁え、ほどほどを知ることも大切。

少なくて事足りることを知っている人が一番心が豊かなんだ。

そのためには日々学ぶ姿勢と謙虚さは忘れてはいけない。

HARUHA

投資銀行から多種多様な業界、
政府関連の機構に出向することは多々ある。
時には身分を隠して内部調査することも。

Fund時代から水面下に潜ることは慣れている。

会社全体や組織の問題点を現場で
洗い出し数値化したり、人的資源や資産、
事業体の金銭的な価値を算出して、
組織や会社の現在の世界標準の正当な市場
での評価額をつけるDue diligenceをして
建て直しをすることもあるし、M&AやTOB、EOBや
優良な事業のみCarve outすることもある。

情報の精査と現実の問題点や数字の刷り合わせと
解決策という着地Pointを過不足無く導き出すことが
仕事でもある。

数字も現場で日々起こる細々とした諸問題も
人が絡んで起こりえる生き物的なもの。
それを全て数式や経験で判断することは難しいんだ。

フロントオフィスの人材の多くは
自然科学系出身者のTOP10以内の
MBAのtitleholderで優秀な人材ばかりだ。
成績が良いのは前提で、入社後配属されるのも一握り。

生え抜きより、他所から替わってくる人材が
ほとんどだけれど、投資銀行部門より
Private Equity部門の方が稼ぎ柱になりつつあるし、
近頃は人件費を抑え、生え抜きを育てようという傾向に
あるから状況は変わってはきているものの、
入ってからが本当の過当競争が始まる。

年棒は魅力的で支払い通貨もある程度の
役席になれば指定でき
Dollar-denominatedが一般的だけれど、
オプションもかなりの額割り当てられる。
現地法人採用はわからないけれど、
若くして30代前半でManaging Directorになると
一年で日本の生涯賃金の3倍はオプション併せて
貰うことは普通にある。

殆どの優秀な人間は他所にヘッドハンティングされたり、
独立したり、辞めて次の人生設計を考える。
正しい判断だと思う。

私自身はFundに引き抜かれて給与は銀行時の数倍に。。

まぁ、派閥争いに巻き込まれ違約金を払ったり、
辞めて農家をした時期に借金を肩代わりしたり、
震災時に貯めておいた債券やオプションを
寄付のため放出したし、
自分で起業するときにも自己資金で殆どまかない
M&Aしたり、統合したり社員の福利厚生や教育制度に
金を掛けたからそんなにお金は残らなかった。

その会社も5年前に追われた時の
違約金で殆んど0に近くなった。
まあ、却ってきた違約金の殆んどはあしなが基金や
震災で亡くなった部下達の見舞金や
こども病院に寄付してしまったから、
稼いでは、ごそっと使うみたいな人生を歩んでいる。
活きたお金の使い方だったから惜しいと思ったことは無い。

唯一、治験医療研究部門がBostonに残せたけれど、
今はFund時代のBossが面倒を見てくれている。

金や債券や資産は無いよりあったほうが良いけれど、
程々が良い。
精神的な豊かさと物質的な豊かさのバランスは
その人の価値観や倫理観、
現状によってかわるものであり、
どれが正しいかなどわからないけど、
下手に持っていると欲望の侭、群がる人達も多いからね。
自分の身は自分で守るしかない。

投資銀行でほんの一握りのクラスである
執行役員扱いのMDになるとオプションを合せて
年にBillion貰うことになる。

現場に出なくとも、居なくとも、
自分の担当部門のパートナーにおさまることも
可能だけど、今の私はそれを望んでいない。


水面下で現場に出たり、
多種多様な会社や機構に出向して
仕事している方が学びが多いし、
名前を世に知らしめようなど考えたこともないから。
面倒なことが多いし、
メディアに露出したくも無いからね。

今の出向先である政府中央銀行の投資部門は
手厚い待遇で迎えてくれているし、
この先、国を替えて骨を埋めないかとも
言ってくれている。
北欧は福利厚生や保障が手厚いし
今後歳を重ねても安心ではあるけれど、
私は投資銀行のまだ席は人間だからね。

それに恩義はあるし、
それを果たすまでは考えあぐねている。

国籍を替え日本人でなくなっても
支障は無いけれど、根っこは日本人だからまだかえない。

銀行を含め大手の外資企業に勤めたい人達がいる。
他企業や内資より給与や待遇が良い事も要因かもしれない。
でも、入ってからがどんな企業でも勝負なんだ。

人より良い生活、暮らし、人との優位性、資産など
そんなものは株価や為替のように乱高下して不安定なもの。
昼から席が無くなる事もあるし、
家のローンを払えなくなった部下たちや
同僚を現実に見てきている。

そこにはDNKSを気取って見栄を張ったり
パーティや業界や異業種交流の付き合いなどが頻繁にあり、
やっかみなどめんどくさいことで溢れていて
傍目に面倒だなとしか思っていなかった。

独り身だし、仕事も忙しかったし、興味の範囲外で
仕事以外で部下たちや業界の人たちと
関わるのを止めていたからね。

そんなもの無駄で疲れるだけだから。
足の引っ張り合いだしね。
それに自然に力無きものは淘汰される厳しい世界なんだ。

留学経験や世界のNGO、NPOで経験したり、
起業したり、語学力や資格を身に付けたり、
TOP10のMBAを修了したとしても
それが世の中で通用するとは限らない。

DNKSを気取って上昇志向過ぎる30代~40代の
日本人や華僑やシリコンバレーの起業家の方達にかなり多くて
そのマナーの悪さと強引さに閉口したり、
もう少し郷に従ってスマートにやれないものかと思うことが多く、
近頃、伝を使ってそんな方達が面会しにくることが増えた。

彼らが紹介状を持ちアポを取って正規ルートでアプローチして
来られる分は追いかえすことはない。

その人たちにいつも言うことがあるんだ。

”本当の精神的かつ物質的なバランスを見つけなさい!”と
全て何も無くなった時にしか見えてこないものがある。

何も無くなったときにもついてくれる人の繋がりを
構築しないと、全て失った時に自分の価値の無さを知ることになる。

家柄や財産、会社や資格や肩書きが無くなった時が勝負になる。
周りの人たちや自分の本性も露わになるからね。

私が苦労知らずで世の中の底辺の痛みや
苦悩を体現したことがないと言う人たちが中にはいるけれど、
その人たちは、理解していない。

喉の渇きを潤し、腹を満たす為に
泥水や清水をお金が無くて啜ったこともある。
タンポポの茎や山野草や土を食べて空腹を満たしたこともある。

親に反対された農家を辞めて実家に帰るとき
途中で入れたガソリン満タンと財布の中の246円しかなかった。
南相馬から、父が亡くなったとき実家に戻るときだった。
実家に戻りづらくて、一週間実家の近くの山で飲まず食わずで過ごした。
夜中に人の居ない道の駅のトイレでダンボールに包まり朝を待ったな。

障害者用のトイレは便座にヒーターがあって暖を取れたからね。
お湯も出たから手洗い用の石鹸で体や頭を洗ったもんだ。

あの時の真冬のひもじさと寒さは一生忘れない。
惨めでいたたまれなかった。

専業農家の元彼女の家の為にと
貯蓄と債券を投げ出して何も残ってなかった。
家族経営の元に給与もお小遣いも保険も
払ってもらっていなかったもんな。

農業を身を持って体現してきたから、
取り巻く環境や仕組みや改善点が
身をもって理解出来るから
今の仕事にも活きているから
別に気にはしていない。

自分から進んでこのことを語ったことは無い。

5年前、会社を追われて、多額の違約金を払い、
しかも悪性脳腫瘍で倒れ余命を宣告された上、
治療法も無かった時も、金も希望も何かもなかったけれど、
Fund時代のBossや仲間達が支えてくれた。

病気になったことを憎んだことは無いし、
病気を盾にしたこともない。
健常な体で居るのが一番幸せに決まっているし、
そんなことを言い訳に自分の人生を生きたくないからだ。

検査に行くと同じような境遇のひとたちが
傷の舐めあいや病状や経過を自慢げに話す場面に出くわす。
健康が一番でそんなもの自慢でもなんでもない。
だから相手にしないし、そんなことは言わない。

会いに来られる方達はクライアントの御曹司、子息女も多いし、
懇意にしていて交流のある大学の教授からの紹介で
学んで来いと送り出されているからこうだけ言う。

”何も無くなっても残るものそれを見つけなさい!
自分の今持っているものが全て無くなっても何が出来るか、
何をして生き残れるか、そして世の中の為に何が出来るか、
自分が生まれてきて、生きている理や力をを見つけつけなさい!
その答えがみつかり、心が実践できれば何かが自分の中で変わる!”

上昇志向ばかり強くて自分自分で
ほんと迷惑な人達も中にはいるけれど、
何かに気付き、生き方や価値観が変わるきっかけに
なっててくれれば良いと思う。
自分が生きる意味を早く見つけ、実践した方が
その答えにたどり着く距離も短くて良い。

人それぞれ価値観も違うから、
どれが正しいかなんてわからない。
でも、金だけの為に働き、五欲の為だけに流行を消化し、
搾取され続ける生き方をするか、
心を磨き自分の人生をよりよきものにする為に働くかで
その人の価値が変わると思うのだよ。

武士道に出てくるような日本人が本当に少なくなった。
日本人に限らず心ある人たちもね。
HARUHA

日本に帰国が近づくと憂鬱になる。

Kが込み入ったタスクと
スケジュール管理はしてくれているし、
Rは日本についてくるクライアントの方達との
調整をしてくれているから安心なんだけれど、

憂鬱な要因はアポなしの面会が増えることだ。
 
面倒な面会はしない。
仕事でもプライベートでも。
今回は特に時間が限られているのもある。

亡くなった吉野の星見の爺さんの法要と
頼まれている平穏と安寧を祈る儀式儀礼を
5日間掛けてしなければいけないのもある。
2週間分の予定を1週間に組みなおし、

飛行機と電車での移動時間に睡眠を取りながら
日本国内を飛び回ることになりそうだ。
それはEU圏やUSで仕事しているときと
状況は変わらないが、
今回は柵が多いから少し勝手が違う。

きちんとした剃髪は帰国してからだけど、
昨日、美容院で丸刈りにしたから帽子は手放せない。

兄弟子に連絡したら暖冬で冷え込んだとはいえ
例年の今頃ほどさほど雪もなく寒くないとのこと。
お前が戻るころは冷え込むかもしれないが、
北欧に比べれば苦ではないだろうと。

滝行や山野行、断食しながらの祠篭り
不眠不休の護摩行も今年は少し楽だろうと話していた。
本来冬季は山にも籠りにも入らない。
自殺行為でもあるからだ。

しかし、私のスケジュールが空けれないから仕方が無い。

身を清め、6感を研ぎ澄ませて
僧の顔に戻るには必要なルーティーンであるし、
不貞の弟子である私に、師匠が兄弟子を飛び越えて
寺を継ぐことと、それが出来ないならばと言い残した遺言でもあるから、
一年に一度くらい仏に帰依するのも一理あるのではないかと考えた。

今回は主治医も同行するから然程心配してはいない。
経過も数値は緩やかな範囲内での上がり下がりはあるものの
今のところ良好であるし、日々体を鍛えてはいるけれど、
勝手が異なるし、ブランクもある。

現在、金融業を生業としているわけだけど、
僧という立場と神職という背景や代々続く家名は代えられない。

今回は全国から師匠が懇意にしていた面識のある
高僧や神職の方達がこられるので少し緊張もしている。

今の私の立場や状況に反対する方達も中にはいる。
継ぐということを拒否しているから。
5年前もそんなことを関係者以外の方に言われたことがある。

継ぐべき神社や寺、家名を継承するのが道筋だと。
伝統や格式、歴史を含めそうともいえる。

古来続く白足袋衆とそれ以前から続く組織や慣習、
柵や守秘義務に守られて生きているのもあるが、
ただ、それを未来に永続して絶えさせない仕組みができる
環境を作ることも継ぐことと変わらないと私は考えている。

地方の中小の檀家が少ない寺や
氏子さんがすくない神社は兼業しないと
給与だけでは暮らせないし、
お布施や祭礼神事、賽銭や寄進だけでは
造営修復や運営まで手が回らないのが現状だ。

会社組織と同じようにB/SやP/Lや財務諸表や
3ヵ年や5ヵ年の事業計画書を作成し、
修正を掛けながら運営する能力がなければ
つぶれる時代である。

それは大きな歴史のある大きな神社や寺でも同じこと。
遷宮や造営、大規模な修理をすれば
莫大なお金が出て行く。
支える僧侶や神職だって生活はある。

企業と同じように毎年ベースアップするわけではない。
養う家族も大切な人たちもいる。
モチベーションを保ち続ける仕組み作りは
資金面でも福利厚生面でもハード面でも
一般企業と変わらない。

租税面での優遇はあるが遷宮費用や国の指定の文化財を
修復するには莫大なお金がかかるから、
一概に優遇を受けていると判断されるのは考え物なんだ。
荘園時代から所領を許され、不動産や資産を引き継いできても
時代とともに流れは変わり、職人や造営や修復に使うヒノキや
材料の手配や人件費や資材を含めた多種多様な面倒ごとも
スムーズにはいかないことが多い。

よく、市民団体が弁護士を立て敷地の一部の転用や
賃借の差し止めや意見書を提出するということを耳にするが、
氏子としてどれだけ先を見据えて金銭面やソフト面で
支える仕組みを作っているのか首を傾げることがある。
充分な過不足のない資金と運用方法とそれを支えてくださる
氏子や周辺住民の永続的な協力なしに運営できない時代なんだ。

具体的な解決策も無く、景観や風致を守るなど法を縦に
署名を提出されたとしても、税金をそこに注ぎ込むにしても、
政局や経済が変われば予算はカットされるだろうし、
一時的に乗り切っても永続的な解決策にはならないことを
理解していない。

聖職だからと何かにつけていわれるが、
そればかりで割り切れない。
すべて平たく給与を自給割したら飲食の店長以下の自給で
拘束されて、地域活動や相談に乗っているんだよ。
ただ働きで奉仕するのも限度がある。
この資本主義の時代に逆行しすぎているんだ。

心は清く分け隔てなくいても、
精神論では現実は変えられないのだよ。
そこに漬け込む人たちがいることも確かで、
だから私は現実と向き合うために金融の世界にいるのさ。
キャッシュフローが読めて、見合った資金が無ければ、
財務や経営能力が無きゃ会社と同じで沈むでしょ?

そんな現状を理解できていないのか
勝手なことをみんな口々にいう。

血族や本家の力関係で継ぐ身にもなってほしい。
そんな話をしても聞く耳を持ってくれない人たちのほうが多い。
自分のことではないからね。

それは、同じ家門や庶流の人たちや同業の神社や寺も同じで
毎年寄進をせがむ。
結構疲れるのだよ。
口にする言葉と行動が伴っていないから笑う。
たぶん、今回の大御所達からも白足袋衆の仲間内からも
そんな話があるだろう。

それは慈善団体や知り合いのNGOも変わらない。
自分たちで稼ぐすべを持ってほしいものだ。
寄進や寄付など自分からするもので
無心されてするものではない。

家名は本家筋の中でも優秀な奴が継げばいいし、
跡目はなりたい奴がなればいいと私は考えている。

それは仕事でも同じような考え方だ。

役職に相応しい能力を持つ部下がいれば
いつでも席を譲るとパートナーたちには話している。
それが、組織を長く保たせる秘訣だと思うし、
上に立つものは”引き際の潔さ”が必要だと
私は考えているからだ。

いつも黒澤映画の野武士や侍みたいだとか言われたり、
他所へ替わるのかとか、独立するのかといわれるが、
そんなつもりは今は無い。

自分の生き方や人生は自分自身で切り開くものだから。
そう真摯に生きてりゃ、道は後に出来るものだしね。

そんな気持ちでいつも生きている。
後悔したくないから。


今を生きる。
そして自分の引き際についてもいつも考えている。

その為に今やれる背いっぱいを後悔しないようにするだけ。
まだ学ぶべきことが世の中にはあふれているしね。

HARUHA

適材適所というものは他人が判断する。
人には適正や能力というものがある。

能力は理解力や応用力+日頃の鍛錬と経験値で
ある程度底上げされるが、IQやEQは持って生まれたものや
環境に左右されるのもある。

向いている、向いていない。
好き嫌いで、適職が決まるわけではないが、
プロとして食べていくには人とは異なった
感性や知性、表現力を含めたキャラクターが必要になる。

世の中の流行は絶えず廻り循環する。
景気により、ファッションや眉の太さや髪の色が
変わるのと同じように。

その流れを読み取り生きる生き方もあるが長続きはしない。
一時的なマーケティングの掌握と利益の搾取が出来るだけ。
それはSNSのなかでの流行や世相の扇動による
情報の操作と利益の囲い込みにいかされている。

それだけでは、これからの世の中生きていけないのは
みんな気付いているはずだ。

どう自分のキャラクターを立たせるか、適正や能力を
見極め、伸ばし活かすかが今後の課題だろう。
答えは自分自身しかわからない。

人に教えを請うものでないからだ。
それに自分の能力や適正など一番自分が冷静に出来るはず。

お洒落だといっても、他人の真似で写すのが得意なだけかもしれない。

綺麗や格好良いも時代やメディアに作り出されるもので
骨格や3分立の法則で考えてみると目、鼻、口、頭の形の
位置やその人の人としての賢さや知識の豊富さや思慮深さや
生きてきた(る)経験値などを含めて考えれば、
世界標準でもないし、凄くもないし、尊敬に値しないことが多く、
上辺だけの薄っぺらさにあきあきすることが殆どだ。


頭がいいといっても、勉強がちょっと出来て語学が堪能なだけで、
オリジナリティや自分で組み立て新しいものを創出できないかもしれない。

絵や写真が得意だといってその技法や写実は古典からの踏襲で
才能があるかといえばそうでもなく、
世の中の流れで売れているだけかもしれないし、
才能もないのに、食っていけないのにしがみ付いているかもしれない。

横並びの能力や個性で溢れているのに、
自信を持ちすぎな人が多過ぎるんだ。

自分自身が凄くもなんともないと理解し、
等身大の自分を冷静に世の中に投影して
どのレベルか、自分と理想の差を見定め、
何が足りないか、絶えず考えながら行動できる人達は
自分の適正や能力を一番理解しているし、
どこに注力すればいいか一番わかっている。


そんな話を少し悩んでいる新人のアソシエイトの子を
真夜中の階下のOfficeで見かけたので話してみた。
みんな優秀MBA修了者ばかり。

”個性の差別化に悩む事はある。
私も絶えず悩み続けたことがある。
そんなことはどうだって良い。

自分自身がその会社にいる人間になるか
要らない人間になるかでなくて
何処にいっても必要な人間になるかが大切なんだ。
その為には何が必要か、日々積み重ねていけば
自ずと自分にしかない武器が身についている。”

そう話した。
切られるか生き残るか否かは彼女次第。

適材適所や能力は他人が判断する。
でも、他人に判断されるのは癪だ。

じゃあ、どうすればいい。
自分を磨き上げるしかない。
今に満足せず、死ぬまでね。

それは地方創生にも繋がる考え方だ。
答えやヒントやチャンスも材料は足元に転がっていて
それを活かすか殺すかなんだ。

HARUHA
HOME  → NEXT
プロフィール
HN:
HARUHA
性別:
男性
職業:
外資投資銀行 MD   外資政府中央銀行系Fund MD
趣味:
自転車 料理
自己紹介:
外資投資銀行から
外資中央銀行FM MDとして出向。
EU、US圏で活動中。

外資投資銀行、
政府系FUNDの寄付講座で、
院の学生を教えながら、
国を跨いでの出張と
仕事の毎日です。

守秘義務が多い職務上
Facebook、Instagramは公開しません。
予めご了承ください。
文章の引用、批評論評等
一切お断りします。

専門はM&A全般
Due diligence
企業の建て直し、解体。
人的資源の効率化。
知的財産(特許全般)の
債権化とライセンス契約
および特許訴訟全般。
P R
フリーエリア
Copyright (C) 2024 外資投資銀行に勤める親父の考えること All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]